この度、埼玉県東松山市の高齢者介護施設「デイサービス楽らく」でのアーティスト・イン・レジデンスプログラム「クロスプレイ東松山」での滞在アーティスト(公募)が、下記の通り決定いたしました。
■青木麦生(あおき・むぎお)【短歌】
歌人。大学在学中、歌人・水原紫苑の授業を受けたことをきっかけに、短歌創作を始める。
2000年、短歌研究臨時増刊『うたう』にて作品賞佳作。2010年にカッティングシートで切り抜いた短歌を街に貼った様子を写真に収めた処女歌集『阿佐ヶ谷ドクメンタ』を電子書籍として発表。以降、松戸アートラインプロジェクト、黄金町バザール、BCTION、SONICART、池袋モンパルナス回遊美術館などのアートプロジェクトに参加。川の護岸や街路樹など、街の至る所に自作の短歌を貼り付けたサイトスペシフィックな作品を展開している。
■浅川奏瑛(あさかわ・かなえ)【ダンス】
埼玉県越谷市出身。
新体操の経験を経て18歳から踊りはじめる。尚美学園大学芸術情報学部舞台表現学科ダンスコース卒業。三輪亜希子、清水典人に師事。現代社会に対する違和感や危機感を作品創作の核とし、光や闇、生と死、戦争と平和といった様々な”境界”の中で語られる存在の有限性を描いた作風を評価されている。
ヨコハマダンスコレクション2021-DEC 最優秀新人賞、アーキタンツ・アーティスト・サポート賞受賞。SAI Dance Festival2023ソロ部門にて審査員賞受賞並びに京都嵐山芸術祭招聘。
■竹中香子(たけなか・きょうこ)【演劇、ドキュメンタリー】
俳優、日仏通訳、プロデューサー。2011年に渡仏し、日本人として初めてフランス国立高等演劇学校の俳優課程に合格し、2016年、俳優国家資格を取得。パリを拠点に、フランス国公立劇場を中心とした多数の舞台に出演。2017年より、日本での活動も再開。様々な教育機関で、フランスの演劇教育や俳優のハラスメント問題に関する講義やWSを展開。2021年、フランス演劇教育者国家資格を取得。主な出演作に、市原佐都子作・演出『妖精の問題』『蝶々夫人』。2023年より、太田信吾監督作品を扱う映像制作会社ハイドロブラストのアートプロデュースを担当。https://mill-co-run.com
■仁禮洋志(にれい・ひろし)【美術】
アーティスト。
自他の輪郭を起点に、それぞれを取り巻く環境やなりたちを観察しながら、最適な形をテーマに作品制作をしている。
銚子への逗留をきっかけに民話と出会い採訪活動を始めた。
過去の個展に2021年「伸縮する輪郭」(銚子市 ロクの家)、2023年「超・不定期訪問/滞在制作 project ≪Nami Itaに、いた?いる!≫Vol.6『もうれんやっさ』」(町田市 ナミイタ)など。
2019年〜2021年までアートプロジェクト「SUPER OPEN STUDIO」の運営に携わり、オンライン上映プログラムを企画した。
■野村眞人(のむら・まさと)【演劇】
2016年より京都を拠点に演出家として活動。レトロニムというコレクティブのメンバー。
ひとの精神のありようや対話のズレに関心を持ち、ひと・もの・環境の現実的な関係に演劇的視点を引用しながら作品を制作している。近年では、精神医療や民俗学に関心を寄せ、ケアの現場のリサーチや自身のルーツにある青森県津軽地方のお墓のフィールドワークを行うなど、劇場内外で幅広く活動している。また、#部屋と演劇 のメンバーでもある。
■萩原雄太(はぎわら・ゆうた)【演劇】
1983年生まれ。個人の身体と公共との関わりに焦点を当てた作品を創作。2011年、福島第一原子力発電所事故の避難区域から数百メートルの場所で『福島でゴドーを待ちながら』を上演。日本国憲法を扱った『俺が代』は、2017年ルーマニア国際演劇祭Temps dʼImages Festivalに招聘される。その他の代表作にシアターコモンズ’18に招聘された『しあわせな日々』や、コロナ禍において創作した『電話演劇シリーズ』など。TheatreTreffen International Forum(ベルリン)参加。Asian Cultural Council のフェローとしてニューヨークに滞在。
今年度は20件の応募がありました。楽らくの人たちとの作品制作を積極的に志向するもの、「デイサービスの時間に身を委ねて考える時間を持ちたい」「地域に出向いてのプロジェクトを行いたい」等、魅力的なな内容のご提案を多数いただきました。アーティスト自身がやりたいことを持ち込み、施設や地域の人々がアーティストと出会う中で、お互いに影響し合うことがクロスプレイ東松山の魅力の一つですが、そのような出会いへの期待を抱くお話も応募者の方から沢山お寄せいただきました。
今回の公募では、当初の受け入れ予定数は3名程度でしたが、上記の通りのことからスケジュールを可能な限り調整し、6名のアーティストの皆様を受け入れることにしました。ここから新たな展開が生まれることを期待します。
また、スペースやスケジュールの制限から、今回は残念ながら期待に添えず不採択となった方々の応募の中にも魅力的な内容が多数ありました。今後の機会に、改めてのご応募をご検討いただけたら嬉しく思います。
2023年度のクロスプレイ東松山では公募アーティストによる活動のほか、アソシエイト・アーティストとしてアサダワタル氏(音楽)によるプロジェクトも実施しています。
活動の様子はクロスプレイ東松山のnoteにて随時紹介いたします。引き続きご注目いただけたら幸いです。
クロスプレイ東松山 事務局一同