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神里雄大/岡崎藝術座『イミグレ怪談』京都・東京・那覇・久留米公演

見えないもの、見えなくなってしまったもの、
見たかったものについて語る”怪談”
―あなたが今いる場所と時間は、「見えない隣人」によって揺さぶられる

移動し、越境する人々をテーマにした作品を発表する劇作家・演出家の神里雄大/岡崎藝術座と、2021年にオープンしたばかりの那覇文化芸術劇場なはーと(沖縄県那覇市)との共同製作によって10月に初演を迎えた『イミグレ怪談』を、東京・京都・沖縄にて上演。

ラオス、タイ、ブラジル、ボリビア、そして沖縄を舞台にそれぞれの土地にまつわるエピソードが語られる本作。海を渡り移動する人々の物語と記憶、その土地の歴史がいつの間にか混ざり合い、重なりあっていく登場人物の語りは、私たちが依って立つ現実の不確かさを感じさせると共に、時間と空間を飛び越える自由な感覚と体験をもたらし、沖縄初演にて、反響を呼びました。 人、土地、動物、虫、植物……生きとし生けるものの「声」に耳を傾け、観客ひとりひとりの想像の彼方に見えてくる「見えない隣人」=幽霊と出会う旅。

https://okazaki-art-theatre.com/kaidan/

企画制作=一般社団法人ベンチ

 

【アーティスト・ノート】

見えない隣人──幽霊や妖怪は日常に潜んでいる。わたしたちの隣人と言ってもいい。存在するかしないか、そんな議論は不要だ。見える人にしか見えない存在。見たくない人は見えない、とも言い換えることができる。ちなみにわたしは見たことはないが見たい。見えないものがいたっていい。そういう「見えない隣人」が、もしも国や地域を飛び越えたらどうなるだろう? と考えたのが今作の構想のきっかけだ。
戦争や地震などのあとには、幽霊の目撃談が増えるらしい。死者を思うことが、幽霊の誕生につながる。だとすれば、その存在はわたしたちの生活にとってなくてはならないもののようである。
なお、イミグレは英語で移民を意味するイミグレーションから採っているが、出入国管理のことでもある。見えないのは隣人なのか、あるいはその存在を受け入れたくない側の人間か。
時が経ち、幽霊の誕生理由が忘れ去られてしまったころ、幽霊は出自不明の妖怪になるんじゃないか、そんなことも考えている。

神里雄大

『イミグレ怪談』

■あらすじ
同窓会があるからと集った3人。焼酎のルーツを求めてタイに渡り、そこで出会った女に魅せられた話をする者、遠くの地に移住した人たちの物語を話す者、沖縄の幽霊について語り出す者。酒、年金、お祭り、戦争、未来、死、バーベキュー、前世、話は多岐に渡り・・・どうも3人の会話は噛み合わない。それどころか、どうやらお互いに見えているのか、見えていないのかさえ怪しい。 頭上に輝くのは満天の星空か爆弾の光かーー、彼らの語りから見えてくるものとは?

■キャスト
上門みき 大村わたる 松井周 ビアトリス・サノ


■公演概要
【久留米公演】
日時=2023年9月2日(土)17:00、9月3日(日)13:30
会場=久留米シティプラザ Cボックス

主催:久留米シティプラザ(久留米市)
助成:令和5年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業

【京都公演】
日時=2023年1月28日(土)14:00/19:00、1月29日(日)14:00
会場=ロームシアター京都 ノースホール

『公文協アートキャラバン事業 劇場へ行こう2』参加事業
文化庁 統括団体によるアートキャラバン事業(コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業)主催:ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)、京都市、公益社団法人全国公立文化施設協会
企画制作:一般社団法人ベンチ
【東京公演】
日時=2022年12月15日(木)19:30、12月16日(金)19:30、12月17日(土)14:00/18:00、12月18日(日)14:00、12月19日(月)14:00
会場=東京芸術劇場 シアターイースト
主催:岡崎藝術座
企画制作:一般社団法人ベンチ
提携:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
助成:芸術文化振興基金助成事業、公益財団法人 全国税理士共栄会文化財団
【沖縄公演】
日時=2022年10月28日(金)19:00、10月29日(土)19:00、10月30日(日)13:00
会場=那覇文化芸術劇場なはーと 小劇場

主催:那覇市
企画制作:那覇文化芸術劇場なはーと、一般社団法人ベンチ

 

 

 

【プロフィール】

作・演出 神里雄大 (かみさと・ゆうだい)
1982年生まれ。劇作家、舞台演出家。越境する人や文化をテーマに、自身の経験も交えた作品を創作する。2006年、『しっぽをつかまれた欲望』(作:パブロ・ピカソ)で利賀演出家コンクール最優秀演出家賞受賞。2018年、『バルパライソの長い坂をくだる話』で第62回岸田國士戯曲賞受賞。国内外の舞台芸術フェスティバルへ招聘多数。平成28年度文化庁新進芸術家海外研修員として2016年10月から2017年8月までアルゼンチン・ブエノスアイレスに滞在。著書に戯曲集『バルパライソの長い坂をくだる話』(2018年、白水社)、『越えていく人——南米、日系の若者たちをたずねて』(2021年、亜紀書房)。セゾン文化財団2022年度セゾン・フェロー II。

キャスト:
上門みき (うえじょう・みき)
沖縄県出身。フリーランスとして沖縄県を中心に活動。岡崎藝術座には今まで『琉球怪談』(2021年 原作: 小原猛)に参加。主な出演舞台作品に、『9人の迷える沖縄人(うちなーんちゅ)』(2020年-2022年)、『喜劇「人類館」』(2021年)、『弱法師』(2019年 利賀演劇コンクール)等。出演映画に、中川陽介監督『やくそく』(2021年)、『のぶゆきと母ちゃん』(2020年)、『笑顔の理由』(2020年)。2020年よりウクレレの弾き語りライブを行うなど、多岐にわたるパフォーマンスを行う。特技は旗回し。

大村わたる (おおむら・わたる)
1988年1月1日生まれ、奈良県出身。柿喰う客、青年団所属。岡崎藝術座には今まで『+51 アビアシオン, サンボルハ』(2015年-2017年)等に参加。所属劇団以外の主な出演作に、舞台『カノン』(2021年 演出:野上絹代)、『東京原子核クラブ』(2021年 マキノノゾミ演出)、『ビビを見た!』(2019年 演出:松井周)、ロロ『すれちがう、渡り廊下の距離って』(2016年 演出:三浦直之)、ドラマ「正直不動産」(2022年 NHK)、「元彼の遺言状」(2022年 CX)など。

松井周 (まつい・しゅう)
1972年東京都出身。1996年劇団「青年団」に俳優として入団後、作家・演出家としても活動を開始する。2007年劇団「サンプル」を旗揚げ、青年団から独立。2011年『自慢の息子』で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。近作にKAATキッズプログラム『さいごの1つ前』(2022年 脚本・演出)、彩の国さいたま芸術劇場ジャンル・クロスII 近藤良平×松井周『導かれるように間違う』(2022年 脚本)、『変半身(かわりみ)』(2019年 共同原案:村田沙耶香)など。

ビアトリス・サノ (Beatriz Sano)
ブラジル・サンパウロ市を拠点とする、振付家、ダンサー、教師。カンピーナス州立大学でダンスの学位を取得し、現在は同大学パフォーミング・アーツ学科の修士課程に在籍。ダンスカンパニーKey Zetta & Ciaに参加し、エドゥアルド・フクシマ、Júlia Rocha、Isabel Ramos Monteiroといったアーティストとも協働する。創作において声と身体の動きは不可分なものであると捉え、活動する。


作・演出:神里雄大
舞台監督:大久保歩(KWAT)
舞台美術:dot architects
照明:高田政義(RYU)、上田剛(RYU)
音響:西川文章
衣裳:大野知英
映像:嶋田好孝、福岡想
英語字幕翻訳:オガワアヤ
スペイン語語字幕翻訳:ヤスキン・メルチー
字幕オペレーター:河合有澤京花
宣伝美術:bankto LLC.
制作:武田知也(bench) 、平野春菜

製作:岡崎藝術座
共同製作:那覇文化芸術劇場なはーと
助成:公益財団法人セゾン文化財団

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