コンセプト ~高齢者福祉施設でもあり文化施設でもある場を目指して~
クロスプレイ東松山は、高齢者福祉施設に年間を通じて様々なアーティストが滞在し、施設を拠点にした作品制作等の活動を通して、利用者や職員と文化的な交流をはかるプロジェクトです。
福祉施設でのアート活動は、レクリエーションの時間を使って、アーティストが活動を提供するという構造が主流でした。
しかし本事業では、ケアの現場にアーティストが滞在することにより、同じ場所にいる利用者や介護職員の時間と、アーティストの時間が交わります。レクリエーション以外にも、例えば利用者の空き時間にアーティストがリサーチをしたり、アーティストのクリエーションを利用者が見学したりするなど、アーティストが施設で「すごす」ことを大事にすることで、双方向の対等なコミュニケーションが生まれることを狙っています。
また、文化・教育・福祉等多様な分野の地域団体と連携し、地域の人々との文化的な交流を図っていきます。
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高齢者福祉施設「デイサービス楽らく」
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「クロスプレイ東松山」note
クロスプレイ東松山報告書 2022 / 2023 発行
2022年からスタートした本プロジェクトの報告書(2022 / 2023)が完成しました。
「ケアとアートが交差する場で起きていること」をテーマに、これまでの同プロジェクトを振り返る内容となっています。ぜひご一読ください。
クロスプレイ東松山報告書 2022 / 2023
【アソシエイトアーティスト】
■アサダワタル(あさだ・わたる)
アーティスト、文筆家。
音楽などの表現行為を支点に様々な生活現場に赴き、「これまでにない他者とのつながりかた」をプロジェクトや著作を通じて提案。プロジェクトに「ラジオ下神白」(福島県/2016年ー)、「まなざしラジオ!!」(東京芸術劇場/2020年)、「コロナ禍における緊急アンケートコンサート 声の質問19」(東京藝術大学/2021年)、著作に『住み開き増補版』(ちくま文庫)、『想起の音楽』(水曜社)など。2019年より品川区立障害児者総合支援施設ぐるっぽアートディレクターを経て、2022年より近畿大学文芸学部教員。博士(学術)。
【公募アーティスト】
■青木麦生(あおき・むぎお)【短歌】
歌人。大学在学中、歌人・水原紫苑の授業を受けたことをきっかけに、短歌創作を始める。
2000年、短歌研究臨時増刊『うたう』にて作品賞佳作。2010年にカッティングシートで切り抜いた短歌を街に貼った様子を写真に収めた処女歌集『阿佐ヶ谷ドクメンタ』を電子書籍として発表。以降、松戸アートラインプロジェクト、黄金町バザール、BCTION、SONICART、池袋モンパルナス回遊美術館などのアートプロジェクトに参加。川の護岸や街路樹など、街の至る所に自作の短歌を貼り付けたサイトスペシフィックな作品を展開している。
■浅川奏瑛(あさかわ・かなえ)【ダンス】
埼玉県越谷市出身。
新体操の経験を経て18歳から踊りはじめる。尚美学園大学芸術情報学部舞台表現学科ダンスコース卒業。三輪亜希子、清水典人に師事。現代社会に対する違和感や危機感を作品創作の核とし、光や闇、生と死、戦争と平和といった様々な”境界”の中で語られる存在の有限性を描いた作風を評価されている。
ヨコハマダンスコレクション2021-DEC 最優秀新人賞、アーキタンツ・アーティスト・サポート賞受賞。SAI Dance Festival2023ソロ部門にて審査員賞受賞並びに京都嵐山芸術祭招聘。
■竹中香子(たけなか・きょうこ)【演劇、ドキュメンタリー】
俳優、日仏通訳、プロデューサー。2011年に渡仏し、日本人として初めてフランス国立高等演劇学校の俳優課程に合格し、2016年、俳優国家資格を取得。パリを拠点に、フランス国公立劇場を中心とした多数の舞台に出演。2017年より、日本での活動も再開。様々な教育機関で、フランスの演劇教育や俳優のハラスメント問題に関する講義やWSを展開。2021年、フランス演劇教育者国家資格を取得。主な出演作に、市原佐都子作・演出『妖精の問題』『蝶々夫人』。2023年より、太田信吾監督作品を扱う映像制作会社ハイドロブラストのアートプロデュースを担当。https://mill-co-run.com
■仁禮洋志(にれい・ひろし)【美術】
アーティスト。
自他の輪郭を起点に、それぞれを取り巻く環境やなりたちを観察しながら、最適な形をテーマに作品制作をしている。
銚子への逗留をきっかけに民話と出会い採訪活動を始めた。
過去の個展に2021年「伸縮する輪郭」(銚子市 ロクの家)、2023年「超・不定期訪問/滞在制作 project ≪Nami Itaに、いた?いる!≫Vol.6『もうれんやっさ』」(町田市 ナミイタ)など。
2019年〜2021年までアートプロジェクト「SUPER OPEN STUDIO」の運営に携わり、オンライン上映プログラムを企画した。
■野村眞人(のむら・まさと)【演劇】
2016年より京都を拠点に演出家として活動。レトロニムというコレクティブのメンバー。
ひとの精神のありようや対話のズレに関心を持ち、ひと・もの・環境の現実的な関係に演劇的視点を引用しながら作品を制作している。近年では、精神医療や民俗学に関心を寄せ、ケアの現場のリサーチや自身のルーツにある青森県津軽地方のお墓のフィールドワークを行うなど、劇場内外で幅広く活動している。また、#部屋と演劇 のメンバーでもある。
■萩原雄太(はぎわら・ゆうた)【演劇】
1983年生まれ。個人の身体と公共との関わりに焦点を当てた作品を創作。2011年、福島第一原子力発電所事故の避難区域から数百メートルの場所で『福島でゴドーを待ちながら』を上演。日本国憲法を扱った『俺が代』は、2017年ルーマニア国際演劇祭Temps dʼImages Festivalに招聘される。その他の代表作にシアターコモンズ’18に招聘された『しあわせな日々』や、コロナ禍において創作した『電話演劇シリーズ』など。TheatreTreffen International Forum(ベルリン)参加。Asian Cultural Council のフェローとしてニューヨークに滞在。
クロスプレイ東松山 2023-24 実施体制
企画・プロデュース:武田奈都子(保順会/デイサービス楽らく)、藤原顕太(bench)、武田知也(bench)
主催:
医療法人社団 保順会
一般社団法人 ベンチ
助成:
公益財団法人 福武財団
公益財団法人 日本フィランソロピック財団