一般社団法人ベンチ

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プロジェクト

『バッテリー』(第四期)アートマネージャー・メンターシッププログラム

「バッテリー」は、舞台芸術分野において、カンパニーに所属している、あるいはフリーランスの制作者(アートマネージャー・プロデューサーなど)にフォーカスしたメンターシッププログラムです。バッテリー【battery】とは、野球の投手と捕手のコンビのことであり、同時に充電・蓄電の意味もあります。このプログラムを通じて、参加者同士のネットワークを構築し、次代を担う制作者たちが自身の活動のための力を蓄えてほしいという意図も込められています。ベンチとExplatでは、参加者が現在活動しているフィールドそのものを育成の場とし、メンターが培った経験とネットワークによって支えることで、人が育ち、持続可能な活動と未来への活力へとつなげたいと考えています。

『バッテリー』特設サイト

これまでの参加者・メンターによる寄稿や詳しい活動内容:第三期 第二期 第一期

 

第四期バッテリー

40歳までの、フリーランスまたは舞台芸術の劇団、ダンスカンパニー等のプロデューサー・アートマネージャー・コーディネーターとして概ね3年以上の活動経験があるアートマネージャーを募集し、第4期メンターによる審査(一次選考:書類審査/二次選考:面談)によって、5名の参加者を決定しました。

第4期メンティー:
穴井豊太郎(福岡県福岡市、東京都)
臼田菜南(東京都)
内田もえ(愛知県名古屋市)
唐川恵美子(長野県軽井沢町、福井県)
志賀彩美(宮城県仙台市)

第4期メンター:
岩中可南子(東京)
植松侑子(特定非営利活動法人Explat|東京)
小森あや(bench|東京)
齋藤啓(鳥取)
坂田厚子(東京)
清水翼(bench/株式会社カンカラ社|大阪)
武田知也(bench|埼玉)
藤井さゆり(bench|東京)
藤原顕太(特定非営利活動法人Explat/bench|埼玉)
丸田鞠衣絵(札幌)

第4期事務局メンバー:
柴田聡子(東京たまに神戸など関西)

 

第四期公開レクチャー

昨年度のレクチャー「私たちは何をマネジメントするのか?」では、コロナ禍を経た舞台芸術界の「職業化」「制度化」の動きの中で、アートマネージャーの役割を根本から問い直しました。今年度は、その続編として、私たちが当たり前のものとして疑いもしなかった前提を問い直します。いつのまにか内面化されていたかもしれない価値観や思考の枠組みを、改めて検証し直す機会とします。
近年、舞台芸術の現場では、従来の舞台芸術や隣接領域のアーティストとの協働を越えて、福祉・医療・教育分野などとの協働も活発化しています。また、社会的なテーマを扱うプロジェクトや、多様な当事者との協働、様々な属性の人々との集団創作も珍しくはありません。これらの変化は、アートマネージャーにとって避けて通れない課題を提起しています。それは、私たちが持つ「専門性」や「能力」への認識、そして他者との「関係性」の築き方についての根本的な問い直しです。
私たちアートマネージャーは、自身の専門性が何に依拠しているのかを十分に言語化できないまま、経験を重ねてきてはいないでしょうか?特に、キャリアを重ねたアートマネージャーにとって、その「専門性」は、時として無意識の権力として機能し、当事者の多様な表現を既存の「舞台芸術」の枠に押し込めてしまう危険性があります。また、能力主義的な価値観は、明確な目標や評価、芸術表現におけるスキルの基準を設定し、それが個人や組織の成長、作品成果につながる可能性もありますが、一方で、ある切り取られた「能力」に人や芸術表現を押し込め、その基準に満たない人や作品に対する権力勾配やハラスメント環境をが発生させる土壌を作ってしまう可能性があるのではないでしょうか。
アートマネージャーは、これらの権力構造を自覚し、真に対等で創造的な関係性を築くために、何を学び、どのように実践すべきなのでしょうか。今年度は、「専門性」「能力」「関係性」をキーワードに、3人のレクチャラーとともに、思考を解きほぐす機会とします。

第1回 「能力主義を解きほぐすー『持ち味』から始まるチームづくり」
■日時:2025年8月14日(木)19:00〜21:00
能力主義を個人に内在するものではなく、他者や環境との関係性の中で発揮されるものと捉え直す勅使川原真衣氏。「持ち味」という視点から個々の個性を尊重し、活かし合う組織づくりを提唱する勅使川原氏は、「脱・能力主義を実践するのに重要なポイントは、まず『いてくれてありがとう』という姿勢を徹底すること」だと語ります。承認しあうことで互いの存在が怖くなくなり、たとえば創作手法や役割分担に対して率直な意見を交わすことができるようになる。創作チームにおける新しい関係性の構築と、そこから生まれる創造の可能性を探ります。
■講師:勅使川原真衣(組織開発専門家)
1982年、横浜市生まれ。東京大学大学院教育学研究科修了。外資コンサルティングファーム勤務を経て組織開発コンサルタントとして独立。2児の母。2020年から進行乳がん闘病中。著書『「能力」の生きづらさをほぐす』(どく社、22年)は紀伊國屋じんぶん大賞2024で第8位入賞。続く『働くということ 「能力主義」を超えて』(集英社、24年)は新書大賞2025にて第5位入賞。その他著書多数。最新刊は『学歴社会は誰のため』(PHP、25年)。日経ビジネス電子版と論壇誌Voice、読売新聞「本よみうり堂」にて連載中。

第2回 「専門性の鎧を脱ぐー権力としての専門性を問い直す」
■日時:2025年11月4日(火)19:00〜21:00
ソーシャルワーカーとしての経験から、「専門性を意識して支援することで、支援は失敗し、より良い支援から遠ざかってしまう危険がある」と指摘する荒井浩道氏。「専門知識を持つからこそ見えなくなってしまうものがある」という視点から、「知らない」「わからない」という姿勢を、従来の専門性とは異なる「新しい専門性」として位置づけています。アートマネージャーが持つ「専門性」という権力を自覚し、「専門性の鎧を脱ぐ」ことで生まれる真の協働とは何かを、ソーシャルワークの視点を交え、共に考えます。
■講師:荒井浩道(駒澤大学文学部社会学科社会福祉学専攻・教授(ソーシャルワーク))
1973年,群馬県生まれ.早稲田大学卒業,早稲田大学大学院修了.博士(人間科学),社会福祉士.早稲田大学助手,駒澤大学専任講師,駒澤大学准教授等を経て現職.東京都公立学校スクールカウンセラー,早稲田大学非常勤講師,明治大学兼任講師,昭和女子大学非常勤講師,泉龍寺(群馬県)住職,著書に『ナラティヴ・ソーシャルワーク―“〈支援〉しない支援”の方法』(単著,新泉社),『ソーシャルワーカーのミライ―混沌の中にそれでも希望の種を蒔く』(共著,生活書院)など.現在,日本社会福祉学会理事,日本ソーシャルワーク学会理事,日本認知症ケア学会理事,こども家庭ソーシャルワーカー試験委員等を務める.

 


アートマネージャー・メンターシッププログラム『バッテリー』第4期

主催:NPO法人Explat、一般社団法人ベンチ
協力:有楽町アートアーバニズム YAU
助成:
公益財団法人セゾン文化財団
文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成))|独立行政法人日本芸術文化振興会

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