「“Play”ing Catch -集まり方の練習- 」(Hibiya Art Park 2025)、小山田徹『火床』では、火守ボランティアを募集します。
「火床」という小さな共有空間の中心となる「火」を管理し、場をともにつくりあげるサポートを行う、火守ボランティアスタッフを募集します。火の取り扱いや本企画についての事前講習も実施しますので、興味のある方は是非ご応募ください。
>>詳細・申込は こちら
〈小山田さんからのメッセージ〉
今日は、美術家の小山田徹です。 私は長らく社会の中に、人々が緩やかに集まり、緩やかに対話し、様々なモノやコトが交歓され、シェアが自然におこる共有空間が必要であると思い、美術家の立場から様々な場の創造を試みてきました。色々試した中で、最も効果的で楽しかったのが焚き火を核とした場創りでした。よく考えてみると、火と人類の関係の歴史はとんでもなく長いのです。現生人類の先輩達の時代から考えると100万年以上の歴史があり、現生人類は20万年以上の付き合いがあります。想像してみて下さい、20万年、毎日焚き火の前にいた事を。火抜きの生活なんて考えられなかったのではないでしょうか?50年ほど前まで、日本でも、毎日家の中で直火が存在し、至る所で焚き火が行われていました。ほとんどの人が焚き火の経験者で、子ども達も家の手伝いの中で火に関わる事ごとが多くありました。現代は、オール電化で家の中から直火は消えて、社会の中から焚き火は消えつつあります。マッチやライターすらつけた事がない子ども達が増えてきています。ましてや、焚き火を熾すなんて。変な胸騒ぎがするのは私だけでしょうか?人類が綿々と引き継いできた火との関係が途切れつつあるのです。人類史上初めての出来事なのです。その代わり、目に見えない、アンタッチャブルな巨大な火からエネルギーをもらっています。コントロールできないものに身を委ねている。災害が起こるたび、人々は焚き火を熾して生き延びてきました。今までは、まだ焚き火の技術と経験のある方々がいる場所での災害でしたが、これからの未来はどうでしょうか?安全な焚き火、安全な調理、安全な消火ができるでしょうか?不安になります。子供の頃から、焚き火場の楽しみに触れ、火の危険性や有効性を体感して技術を獲得すると共に、焚き火周りでの大人達の穏やかな対話を小耳にはさみながら、対話力を身につけていく。議論、ディベート、言いまかしではない対話の重要性に気づく。食べ物のおいしさに気づいて、シェアする事の喜びを感じる。焚き火にはそれらを誘発する力があるのです。 私はよく夢想する風景が有ります夕方になると、街の至る所で焚き火が熾り、人々が火を囲みながら談笑している。子ども達はそんな焚き火場を巡りながら家に帰る。大人も仕事帰りにフラッと立ち寄り、火に手をかざしながら談笑する。たまには焼き物を頂きながら、焚き火の梯子が出来る。しかも、誰もスマホもテレビも見ていない時間。妄想です。少しでもこんな瞬間を出現させてみませんか?
日比谷公園でお待ちしております。
小山田徹

OKAZAKI PARK STAGE ちっちゃい焚き火(薪ストーブ)を囲んで語らう会 ロームシアター京都 撮影:中谷利明
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小山田徹『火床』
監修:小山田徹
協力:小山田十喜、中脇健児
火守ゲスト:猪瀬浩平、ほか